『嫉妬心とうまく付き合う本』で嫉妬を味方に変える

思考法

友人の幸せを心から祝福できずにモヤモヤしたり、SNSのキラキラした投稿を見て落ち込んだりしたことはありませんか?

「自分は性格が悪いのではないか」と自分を責めてしまうこともあるかもしれませんが、実はその嫉妬心は、本当に手に入れたいものを教えてくれる大切な味方です。嫉妬=悪い感情という認識はここで捨ててください。

心理カウンセラー根本裕幸氏の著書『つい他人と比べてしまうあなたが嫉妬心とうまく付き合う本』は、そんな感情を味方に変えるための一冊です。

感情の仕組みを正しく理解し、味方にすれば、感情をコントロールするショトカ(近道)になるでしょう。
読み終わる頃には、今まで嫌っていた「嫉妬」という感情が、愛おしいと思えてくるはずです。

嫉妬の正体は「欲しいけれど手に入らない」という心の葛藤

私たちは、自分にとって全く無関係なものや、100%手に入らないと確信しているものに対しては、実はピクリとも嫉妬しません 。 例えば、宇宙飛行士を目指していないなら、月面着陸に成功したニュースを見ても「いいなあ、悔しい!」とはならないはずです 。

嫉妬が生まれるのは、対象が「自分にとって価値があり、本当は手に入れたいもの」であり、かつ「自分にも手に入る可能性がある」と無意識に知っている場合だけなのです 。

嫉妬の感情は、「あれが欲しい!」という純粋な願いに、「どうせ私には無理だ」という無価値感や劣等感がブレーキをかけることで、ドロドロとした嫉妬に変わります 。

  • 幸せそうなカップルに嫉妬するのは、あなたの中に「愛し愛される関係を築きたい」という素晴らしい欲求が眠っている証拠に他なりません 。
  • バリバリ働く同僚に嫉妬するのは、あなた自身にそれだけの能力や、社会で活躍したいという情熱が備わっているからです 。

つまり、嫉妬の対象は「あなたが未来に手にするはずのもの」を先取りして見せてくれている、鏡のような存在だと言えます 。

嫉妬を感じたときは、「あんなふうになりたい自分」が心の中にいることを、まずは優しく認めてあげることが大切です。 「嫌な人間だ」と自分を責めるのではなく、「私はあんな素敵なものを求めているんだ」と変換するだけで、心のトゲは少しずつ溶けていきます 。

心理的距離が近いほど嫉妬が強くなる「近親性の法則」

嫉妬心は、相手との関係性が近ければ近いほど、また共通点が多いほど、爆発的に大きくなるという特徴があります 。 見ず知らずの大金持ちの成功よりも、自分と同じような環境で育った友人や、職場の隣の席に座っている同僚の幸せの方が、はるかに心がかき乱されるものです 。

これを本書では「近親性の法則」と呼んでおり、この仕組みを知るだけで「近しい人に嫉妬するのは当然の反応だ」と自分を許せるようになります 。

例えば「恋人ができた」という報告を受けたとします。

  • 小さい頃から友人
  • 同じ会社で働く同僚
  • カフェで隣になった見知らぬ人

近親性の法則に従うと、上から順に強い嫉妬を抱くということです。

嫉妬の対象は「人」そのものではなく、その人が持っている「若さ」「お金」「自由」といった個別の要素であることを必ず理解してください。
相手ではなく「相手が持っている”それ”がうらやましいんだ」と分離して考えることで、人間関係の破綻を防ぐことができます 。

つまり、仲の良い友人に嫉妬したからといって落ち込む必要はまったくありません。
それはあなたがその友人と深く関わっており、自分も同じような幸せを求めているからこそ起きる、極めて人間らしい反応なのです 。

嫉妬をエネルギーに変える「自分軸」の作り方

嫉妬に振り回されてしまう根本的な原因は、自分の価値基準を「他人」に預けてしまっている「他人軸」の状態にあります 。 「あの人と比べて自分は劣っている」などの考え方は、終わりのない比較競争の地獄に閉じこめられてしまいます。

この苦しみから抜ける唯一の鍵が、何があっても揺るがない「自分軸」を確立することです 。

自分軸を作るために、

  • 自分と他人に境界線をしっかり引き、他人の幸せが自分の価値を減らさないことを理解してください。
    例えば誰かが100万円手に入れたからといって、自分の財布からお金が減るわけではないように、他人の成功とあなたの幸せは全くの別物です 。
  • 「もっと完璧でなきゃ」という思い込みは、自分を否定し、他人との勝ち負けに執着する原因になります。「まあ、人間だもん。しょうがないよね」と口に出して、今の自分を許してあげてください。
  • ドラマの解説者のような視点で自分を俯瞰してみてください。
    「おっと、今の私はあの人に嫉妬していますね」「本当は寂しさを感じているようです」というように、自分の心の動きを客観的に言葉にすることで感情と線引きができます。
  • 嫉妬心を抱いたら「この感情は、私自身のものだ」と潔く自覚してください。
    この覚悟を持つことで、周囲の環境や感情に振り回されることがなくなります。

感情のデトックス「御恨み帳」を書く

嫉妬や怒りなど、胸の内に溜まった感情を解消するには、紙に書き出して外に放つ方法が非常に有効です。用意するのはノート一冊だけで、デジタルではなく手書きで激しい思いをぶつけるのがコツです。

当たり前ですが誰にも見せない前提で、自分を苦しめる本音や罵詈雑言、同じ不満を何度も書き殴ることで、心に渦巻く不快な感情を客観的に眺められるようになります。

この際、解決策を探す必要はありません。ただ吐き出すことだけに集中してください。
数時間かけて「出し切った」と感じるまで続ければ、モヤモヤしていた心が驚くほど軽くなるのを実感できるはずです。

今日からできる行動

  • 嫉妬を変換する
    うらやましいと感じたら、それは「本当は手に入れたいもの」を教えてくれるサインです。
    自分を責めるのではなく、「私はあんなふうに愛されたいんだな」などと、自分の欲求を認めてあげてください。
  • 嫉妬した自分を許してあげる
    嫉妬した時、身近であればあるほど喜べないことは正常な反応です。「親友に嫉妬した自分は最低だ」などと自分を責めないでください。
    また「近ければ近いほど嫉妬するのは脳の仕組み」と理解してください。
  • 他人を意識しない
    「よそはよそ、うちはうち」という言葉があるように、たとえ家族や親友といった近い存在であっても、「他人の人生」と「私の人生」は全く別の物語であることを常に意識してください。
  • 負けを認める
    他人との比較競争は嫉妬を加速させます。心の中で白旗を振り、負けを認め降参してみてください。不完全な自分を受け入れ、嫉妬の苦しみから抜け出しましょう。

まとめ

嫉妬という感情は、決してあなたが「性格が悪い」から生まれるものではありません。むしろ、あなたの中に「もっと輝きたい」「幸せになりたい」という強いエネルギーがある証拠です。

嫉妬を感じたときは自分を責めるのをやめて、「私はあんな素敵なものを求めているんだ」と、自分の本音に優しく寄り添ってあげてください。

また親友や家族に嫉妬したとしても、それは正常な反応だと理解です。さらに、切り分けて考えると対象はその人ではなくその人が持っている個別の要素です。こう考えてみると不思議と気持ちが楽になります。

大切なのは、他人と自分を比べる「他人軸」の生き方を卒業し、「私は私、人は人」という「自分軸」を取り戻すことです。

嫉妬という感情に蓋をせず正しく理解してあげることこそが、感情をコントロールするショトカ(近道)なのではないでしょうか。

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